アルバート邸について

メイキング オブ アルバート邸

まるでイギリス郊外にたたずむ、静かな別荘のような英国邸宅。
太陽と花と鳥たちの祝福を受け、爽やかな風に洗われて、
すべてが心地よい、まるで地上の楽園…。
緑ゆたかな木立ちの中に、いっそう映える赤白のレンガ造り。
遙か遠い海の向こうからやってきた、英国邸宅の物語。
白鳥の館「アルバート邸」へ、ようこそ。

私たち「スワン」と英国のストーリーは、1987年のチャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式から始まります。おとぎ話のように美しいダイアナ妃のウエディングドレス姿と、厳粛な大聖堂の結婚式にインスピレーションを受け、(株)スワン代表取締役社長の萩原康充が、200年前の英国ヴィクトリア時代の教会を前橋に移設することを計画し、1990年、「シャロンゴスペルチャーチ前橋」を献堂しました。同教会は日本ではじめてのウエディング専用の独立型教会であり、それが幕開けとなって、日本に教会結婚式の時代が始まりました。
5年後にはその姉妹教会を建てたいというプロジェクトがスタートし、1997年、さらに大きな英国教会「シャロンゴスペルチャーチ高崎」と、日本初の本格的なハウスウエディング施設として、18-19世紀のマナーハウスを再現した英国邸宅「ザ・ジョージアンハウス1997」が完成しました。それが日本中にブームを巻き起こし、華やかなハウスウエディング時代の始まりとなります。
2002年には、有名な英国人建築家ジュリアン・ビックネル氏の協力を得て、20世紀初頭のロンドンのシティハウスを再現した、貸切型の英国邸宅「ロイヤルクレストハウス」を隣接しました。同邸宅は本格的な英国建築として、イギリス本国からもその価値を賞賛され、(株)スワン代表の萩原康充は、現・エリザベス女王陛下の園遊会にお招きを受けて、バッキンガム宮殿に伺う栄誉を得ました。同邸宅の希有な美しさはますます評判となり、多くの映画、テレビ、雑誌、カタログの撮影が行われています。

3つの教会物語

2015年に創業50年となるスワンの長い歴史は、日本のウエディングの歴史でもあります。その後半、25年間は教会結婚式の時代です。スワンの2つの教会と英国邸宅では、今までに1万3千組以上の教会結婚式が執り行われました。
そして2008年、満を持して、これまでのサービス業としてのノウハウと、教会結婚式の伝統、ハウスウエディングの歴史を集大成して、新しい発想のもとに創造されたのが、英国邸宅「アルバート邸」です。1000坪の広い敷地の中に英国邸宅、小さな教会、レストランの3つの木造レンガ建築が建ち並び、季節の花が咲くイングリッシュガーデンに囲まれたその様子は、まるで英国郊外のリトルタウンのようです。

アルバート邸の玄関に据えられている飴色に輝く6枚の古い木製ドアは、エリザベス女王の招待を受けて訪れたロンドンのあるアンティークショップで購入したドアです。女王の導きがアルバート邸の始まりとなりました。
このドアは150年前のもので、英国ヴィクトリア女王の夫君、アルバート公が建築を始め、公が夭折した後には女王が完成させた、英国を代表する大劇場「ロイヤルアルバートホール」から外されたものでした。その由緒ある6枚のドアを据えた英国邸宅を建てたい、と言うのがアルバート邸のコンセプトになりました。
その邸宅にふさわしい場所はどこなのだろうか。どんなウエディングを。どんなパーティを。そこにふさわしい料理、サービス、ファッション、音楽とは。2年間のプロジェクトを経て、2008年の春、「白鳥の館 アルバート邸」は完成しました。
今では邸宅を取り囲む樹木も大きくなり、イングリッシュガーデンに咲く花々もますます生き生きと、命を添えています。この地上の楽園に、今日もたくさんのゲストを迎えています。

メッセージ

私の大好きな前橋の地。スワンのルーツでもある最も前橋らしいこの場所に、他には例を見ないような1つの空間、市民の社交の場、心の交流の場を作りたい。季節をいつも感じながら、静かな時の流れを楽しめる場所で、何かをやろうとする人たちの文化の始まりになるような、楽しみを創れる場所になりたい。そのために前橋に生まれたスワンが、再び前橋らしい場所に舞い降り、この地を選んで根を下ろした。小さくてもいいから、心を感じる空間を創りたい。きっと近い将来、もっと心を大切にする時代がやって来る。誰もが無くしかけている自然を大切に思い、古き良き時代を懐かしむ時が来る。その時のために、必要な建物を建てたい。それが「アルバート邸」の始まりです。

そして素晴らしい男性だったアルバート公と、彼に恋をして結婚し、愛し抜いたヴィクトリア女王の物語。近代結婚式のもととなったお二人の結婚と、その後のファミリーが創り上げた幸せな家族像は、私にとって憧れでした。アルバート公は残念ながら短命にして人生を終わったけれども、そこに感じる人間的な思いや愛が、「アルバート邸」のコンセプトになっています。そしてこの建物は、スワンと英国を結んだ30年の心の交流の証しでもあります。

また音楽の殿堂である「ロイヤルアルバートホール」への憧れ。エリザベス女王の園遊会に招待されるという人生で最も大切な時に、イギリスで購入することになった同ホールの古い6枚のドア。現代ロックが生まれた場所であり、ダイアナ妃はじめロイヤルファミリーも通った同ホールの、その大切なドアを生かして、一番大切なものを中心に据えて、特別な建物を建てたいと思いました。音楽が好きな私にとって、それも大切な要素でした。

もう1つは、前橋にレンガの建物を造りたいと言う思いがありました。イギリスのヴィクトリア時代にたくさん建てられた赤レンガの建築群。今もロンドンには当時のレンガ街が在ります。明治・大正時代には東京や前橋にもたくさんあった懐かしい赤レンガの建物を、いつかもう一度、前橋に建てたいと思っていました。かつて前橋は、英国はじめヨーロッパ各国に絹糸を輸出して栄えたため、私の青春時代にはまだたくさんの英国風の赤レンガの建物があり、前橋は新しい食と文化が栄えたモダンな町でした。それを再現したいと思ったのです。それは前橋らしい新しい街作りにもなると思いました。「水と緑と詩のまち」というのはとても前橋らしいテーマです。まさに水があって、緑があって、詩を感じる場所にあり。アルバート邸は5年めを迎えてますます、新しい街並みづくりにも貢献していると思います。

私の大好きなイギリスやイタリアに行くと、賑やかな街とはかけ離れた静かな場所に、良いレストランやハウス、隠れ家のようなホテルがあって、良いゲストが集まります。休日には、そんな自然に囲まれた場所にわざわざ出掛けて行って、思い思いの楽しみを見つけながら贅沢な時間を過ごすのです。ことにウエディングパーティはそんな場所でするのが、彼らのステータス、喜びです。

何かが生まれるときには。すべてのことが自然と集まってきて、必然となっていきます。たくさんの人の才能や思いが1つになって、「アルバート邸」は完成しました。中でもこの特別なクリエーションを担当した、デザイナー、プロデューサー、現場リーダーたちは独特の感性を持つ女性スタッフたちでしたが、その力にも心から感謝しています。そのような感性が無ければこの特別な場所は生まれませんでした。またシェフ、スーシェフの2人は、私が友人であるフレンチの鉄人・坂井宏行氏のレストラン「ロシェル」に預けて修業させ、スタートにあたりこの地に戻して、今ではこの場所にふさわしい料理を育んでいます。キッチンはいずれも選び抜いた良いメンバーです。
そして今ではいろいろなゲストにいろいろな目的で使って頂けるようになり、さらに良いスタッフが集まり、さらに素晴らしい料理とサービスができて来ています。ウエディングだけでなく、さまざまなパーティの仕掛け、アートの発信、ファッションの提案なども、日々に生まれています。それは本当に嬉しい望みです。

人々が本当に幸せになれる場所を創るのが、私とスワンの目的でした。しかし時に人は、奢りや忙しさの中に本質を見失います。「アルバート邸」を創らなかったら、私たちも白鳥の心を忘れていたかもしれない。最も大切なものをもう一度考えるために、ここを建てたんじゃないかと思います。だからここはスワンにとって、最も大切な場所。自然を愛する、古き良き英国の歴史と、スワンと白鳥たちの心を感じる場所として「アルバート邸」があります。これはスワンの新しいスタートです。

春にはバラの花が香り、夏には緑が地空を覆い、秋には鮮やかな紅葉を迎え、冬にはイルミネーションが輝く。静かで美しい自然な街作り。そんな夢が今の私の生き甲斐です。
将来は近隣の方たちと協力して、この恵まれた場所にもっと多くのゲストを迎えられる街づくりをしたい。他のどこにも無い前橋の素晴らしさを、もっと知って貰いたいと思っています。そんな未来を楽しみにしてください。

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